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栗駒

まめまめマイスター:糟川食品 糟川善二さん

豆の味がぐっと濃い、手作り豆腐の決定版
朝早い農家や商家の朝ごはん。その食卓で味わうものだから、お豆腐やさんの朝はうんと早い。夜明けの朝もやのなか、大豆が蒸しあがる湯気が「ふしゅー」と音を立ててもうもうと上がります。昭和初期、糟川さんのお父さんの代にはじまった豆腐づくり。宮城県産の大豆「タチナガハ」を柱に、木綿、絹ごしはもちろん、山菜の入った変わり豆腐、大きな大きな手揚げ、薄揚げ、厚揚げなどを手作りしています。「うまい豆腐、っていうのは、豆の味が濃い豆腐。いい豆をちゃんと搾って、余計なもんばり入れねがったら、それで十分うまい豆腐になるっちゃな」。自分の手柄などない、とでもいうように笑う糟川さんですが、常に豆乳の出来や搾り加減、豆腐のかたまり具合、フライヤーの様子などに目を配り、工房を離れることはありません。特に油揚げは、手の離せない作業。いったん油が温まったら、薄く切ってスタンバイしておいた豆腐を一気に揚げてしまわなくてはなりません。その時間は、毎日およそ2、3時間だといいます。やっと訪れた短い休憩時間に、糟川さんは自分のつくった豆乳を飲みます。とろりと濃く甘い、お豆腐のもと。「ん。今日もんまい」。今日のお豆腐も、二重丸の出来のようです。
できあがった豆腐を一丁ごとに切り分けるのも、昔ながらの包丁で。

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